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水槽

鈴木ひなた

by myeolsi 2020. 4. 18. 07:02

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조직보스+인어

 

 

ぎらぎらする日差しがウザかった。こんな天気にスーツとか冗談じゃない。荒っぽくネクタイを解いて舌を打つ。早く帰って寝てーな。組織に入ってきたばかりの新米が倒れているチンピラ達をまあまあ片付けたようで、先に足を運ぶ。早速後ろで慌てた声がする。

「あの、総長! 総長!」
「あぁ?」

やっぱ久森を連れて来た方が楽だった。イラついたボスの眼差しに新米が怯える。が、すぐ何らかの決意が目に浮かぶ。

「お、お時間よろしければ近くのお店にちょっと寄っても良いですか!!!」

何で叫ぶのか分かんねぇけど耳が痛い程だ。

「いい訳ねーだろう、お前暑くねーのか?」

汗ばんだくせによく言うぜ。半殺しされたチンピラを跨いで新米が駆け寄る。

「あの角だけ曲がればすぐですよ。エアコンもあるし…ダメですか…?」

捨てられた犬みたいな目をして近づいてくる新米を顎で退かす。路地裏を抜け出すと車が反射した光に眩しさを覚える。
この後何もねーから行こうとか言うんだろ。じゃ後で久森に物言われたりしないはず。これ以上うざくなったらこいつ殴ってしまうかもしれないし、その方がもっとうるさくなるに決まっていた。

「好きにしろや。エアコンあるなら行くぜ。」
「ありがとうございます!!」

笑顔さえうるさく感じられて、小さく溜息をついた。

「飲み物でも買って来い。」
「はい!」


ーーーーーーーーーーーー

「いらっしゃいませー」

角の店ってここか。内部は薄暗くて広く、何よりも涼しかった。店員を無視して奥に向かう。陳列棚には餌やペット用品が並べられている。新米が何か飼っていたか呆然と思う。知ってるわけがなかった。奥には黄色の光があちらこちらで輝いていて、それを浴びてる生き物がいた。蛇とかかえるとか、そんな類の奴ら。傷を負っていたり薬のような何かが塗られているのが多かった。札には値段の代わりに種と名前、推定年齢が書かれている。売りもんじゃないのか。横を見ながら進むと、ふと耳にベルベットのカーテンが触れた。何気なくカーテンを開く。中は青色だ。両側に水槽がぎっしりと並べてある。ここがさっきより涼しい気がした。満足気に内部を見回し始める。グッピー、ベタ、金魚… 名前が長かったり英語の魚も多かった。隣のブロックに渡ると、自分より大きい水槽が現れる。札がついていた。人魚。

「どうも、いらっしゃいませ。」

ビックっと驚いて振り向く。後ろには眼鏡をかけた老人が立っていた。白い髪を結って垂らした彼女は、透明なエビがいた水槽の下で餌を取り出した。

「気に入った子はございますか? 怪我や病気のある子が多いので教えていただいたらその子について色々説明できますよ。」
「…いや。ない。」
「そうですか。」

餌に集まる金魚を少し眺めた彼女はそのまま矢後の方にゆっくり歩いてきた。

「人魚はどうですか? とても美しいですよ。知能も高いし外観も人に似ていて、まさに水で生きる人間だと言えます。警戒心が強くて今日は見られるかどうか…」

横を通り過ぎながらすらすら言ってくる。興味があるとかないとか分かんない。でも老人が水槽の前で合図を送った時、何故か足が動いたのだ。久しぶりに味わう好奇心に胸が高鳴る。


紺青色の鰭が揺らいていた。立ったまま寝ているような、奇妙で、でも確かにー。ぼっと立ち尽くして眺める。横で老人が微笑んだ。

「お目が高いお客様ですね。この子は腕が一本無いけど、賢くて目がとても綺麗ですよ。」

彼女は軽く水槽の表面にノックをした。腕がないことにその時気が付く。

「…起こす必要は、」
「大丈夫です。もう直ぐおやつの時間ですから。」

起こしに来たんですよ。納得した矢後が再び水槽に視線を向けた時、真っ赤な瞳と目が合った。

 


ーーーーーーーーーーーー

「総長~!! お待たせしました! 飲み物と、餌買いました! 直ぐお戻りに…」
「遅せぇよ。」
「え、何か買いました?」

書類にサインをしている矢後の姿を、新米はおかしく思った。総長には何かを飼っているイメージも、飼うイメージもないから。飲み物を受け取った矢後は書類を渡した。

「それ、お前が担当しろ。」
「はあ…へ? 水槽? こんな大きく?!」

驚く新米をものともせず、矢後は人魚を見上げた。人魚もまた矢後を見ていた。唇だけ動かして何かを伝えた矢後は、先にベルベットのカーテンに向かう。新米は慌てて店長である老人に挨拶をして、その後ろを付いて行く。彼女は暫く手を振って、人魚と顔を合わせた。

「…おやつにしましょうか。ひなたちゃん。」

ひなたは嬉しそうな顔つきをした。


ーーーーーーーーーーーー

「にぃんぎょお??? 正気ですか矢後さん!! 」
「っるせぇ…」
「そんな高くてどう扱えばいいのかも分からないっ、あんた飼う方法も知らないんでしょう?! 今ならまだ間に合うはずです、何処の店ですか! 僕が謝るから一緒に行きましょう!!」
「別に高くなかった。」
「そこじゃなくって…! あと嘘つかないでぐださい。人魚っていくらなのか僕知ってますよ?!」

2人の喧嘩にならない言い争いに、新米が恐る恐る口を挟む。

「ほ、ほんとです副長! そこ私がよく知ってる店なんすけど、責任感を持たせる目的で支払ってもらう金額なのであまり高くないです!」
「えっ、本当ですか?」

こちらです…。久森は渡された書類を手に取り、几帳面に読んでいった。

「た、確かに…」

その反応に新米はより躊躇いながら一言を加える。久森が丁度その部分に目を置いたところだった。

「代わりに水槽の工事費が…」
「… …はあ…」

勢いを失った久森は重ねてお詫びをする新米をなだめて帰らせた。ドアが閉まり久森がもう一度深く溜息をついた時、矢後は既に本をバンダナの代わりにして寝ていた。

「『人魚の生態』、ですか…何でおかしな所でスイッチ入っちゃうんだろ。」

毎月の予算案に人魚への支出を加えながら、今なら殴ってもいいじゃないかと思う久森だった。

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